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第16章 入社式、波乱の幕開け

霧島貿易に着くまで彼と話しながら歩くことにした。


原田悟(はらださとる)くんというらしく私の2つ上で大学を卒業して入社すると教えてくれた。
東北出身で大学からこっちに出てきていると教えてくれた。

『小鳥遊さんはどうしてこの会社を受けたんですか？』

「私？？私はなかなか決まらなくて適当に受けたところがここなの。片っ端から受けてたからね！」

原田くんは意外だな。と言っていた。
私とは正反対でこの会社に入りたくて受けたと教えてくれた。


「どうしてここに入りたかったの？」

『東日本大震災の後ここの会社の社長さんが俺達がいた避難所に炊き出しとかに来てくれたんだ。すげぇかっこよくてさ。

俺高校から本当は東京の方に行きたかったんだけど震災後でそれは無理だって諦めると話を聞いてくれたんだ。

生きているだけでこれからの道は自分でどうにでも出来るって』


原田くんの中で龍輝さんはすごいヒーローらしい。
彼の気持ちを高めていたのは龍輝さんの過去の励ましがあったからだと教えてくれた。

それから教えてもらえたのは炊き出しや生活に必要なものを結構援助してくれたということ。
避難所の中にはお年寄りや子供も沢山いたから助かったと。