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第21章 新人研修中の出来事

なんとなくだけど気付いてたよ。龍輝さんはちゃんと社員を大切にしてる。

みんなは鬼だとか笑わないとか言ってるけどそうじゃない。
社員にだって生活があるからそれをきちんと送れるように考えてくれてる。


『え？こんなものもらっていいの？』
『ヤバい…本当に』


そんな声が聞こえてくるのは陽向とまどかだ。
2人が手にしたものを見てみるとそれら名刺入れとボールペンとパスケースだった。

みんな同じみたいで反応はそれぞれだけど少しは研修へのモチベーションが上がったと思う。


『葉月、こんなのもらっていいの？』

「何で私に聞くのよ。いいんじゃないかな？社長からだから私には関係ないよ。」

『でもほら、婚約者でしょ？』


改めて聞くと恥ずかしくなるけど多分これは経費で落としてるから本当に関係ない。

「ラッキーと思ってもらっちゃおう！」


私の言葉に陽向とまどかは笑っていた。自分でお金を出して買うのは気が引けるけどもらったんだからありがたくもらっておこう。


研修先に着いてバスを降りると優兄ちゃんが何かあったらLINEしてと、電話番号とLINEのIDを書いた紙を渡された。

私は受け取り少し経ってからお礼を言うためにLINEに優兄ちゃんを追加した。