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蝶々と甘い蜜。
第5章 嫉妬で狂ったセックス
ギシッとベッドがきしむ音が部屋に響き渡る。
今まではその音が私の官能が刺激されて好きだった音が
ただ、ただ、今は虚しい。


「行かないで!」


その一言を言わないように
瞳を閉じたままゆっくりと呼吸するしかなかった。
三島と出会った日のパーティーのこと
三島にいつかは愛されたいと願っていたこと
自分の知らない快感を三島にたくさん与えてもらったこと
10年間の日々を思い出して
ゆっくりと瞳を開けた


「三島さん……」


名前を呼んだら必ず返事をしてくれた。
だから……もうこの部屋に三島はいない。


「三島さっ……」


本当はこんな風に三島さんの前で大声をあげて泣きたかった。
だけどこんな風に泣いたら嫌われる気がして
感情を抑えることしかできなかった。


「好きなのに……ううっ……好きっ……好き……」


心の中で何度も叫んでいた言葉を
大声で叫ばずにいられなかった。
防音が聞いたこの部屋は
私のこの声だって誰にも届かない。
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