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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第13章  見知らぬ狂気
  


「誰でも敷地に入っていい訳ではないのですよ。それは、判っていますか?」


 焦っているだろうドアの向こうの男に告げた。


「そんなことを言わないで助けて下さいっ!!」


「急病人でしたね。」


「そうですっ、助けて下さい。」


「いま、救急車を呼びますからお待ちを。」


 男に返事を返して電話に向かう。主が留守中は、何人たりとも入れはしない。

 《 *

「珱月さま。」


「マリー。どうだったの?お客さん?」


「ロイさまが応対中でした。」


「そう、なら大丈夫ね。」


 ホッとしてメイドに背を向けてショールをクローゼットから出そうと手を伸ばす。


「やあぁっ!!」


「マリーッ??」


 メイドの悲鳴で慌てて振り返る。


「っ?!!」


「おっと、静かにな・・・〝黒髪の乙女〟。」


  
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