この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ソレは、そっと降り積もる・・・。
第13章 見知らぬ狂気
「誰でも敷地に入っていい訳ではないのですよ。それは、判っていますか?」
焦っているだろうドアの向こうの男に告げた。
「そんなことを言わないで助けて下さいっ!!」
「急病人でしたね。」
「そうですっ、助けて下さい。」
「いま、救急車を呼びますからお待ちを。」
男に返事を返して電話に向かう。主が留守中は、何人たりとも入れはしない。
《 *
「珱月さま。」
「マリー。どうだったの?お客さん?」
「ロイさまが応対中でした。」
「そう、なら大丈夫ね。」
ホッとしてメイドに背を向けてショールをクローゼットから出そうと手を伸ばす。
「やあぁっ!!」
「マリーッ??」
メイドの悲鳴で慌てて振り返る。
「っ?!!」
「おっと、静かにな・・・〝黒髪の乙女〟。」