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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第22章  マリーゴールドは、静かに・・・
  


「茶化さないで頂きたい。俺の婚約者が受けた傷は、深いのですよ。」


「ふふ、凜々しいお方。素敵ですわ、そんなお姿も。でも・・・私の受けた傷は、どうでも宜しいのかしら?」


 運ばれたお茶を一口飲んで冷静に返す。


「君が、受けた傷・・・だと?」


「そうですよ。私は、あなたと違って〝女〟です。しかもお気付きの通りに没落寸前の伯爵家の1人娘です。
 その意味は、お判りですか?」


「なんの、話しだ?」


「酷い方。私は、あなたとの縁談で嫁いだら2回目になります。1度目の結婚は、失敗でしたし家も傾きました。2度目があなたです。
 もしもこの縁談が纏まって私があなたの元に嫁いだのなら私たちに後ろ指を指すような者は、居なくなります。両親も肩身の狭い思いをしなくて済むでしょう。
 あなたは、自分だけが良ければそれで良いの?」


  
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