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第25章 　想い合うと云うこと

　　


　頭を下げて今度こそ家路に着いた。


　》　》


　誰も判っていないのだ。〝愛〟や〝恋〟など幻想なのだと。
　男は、どんなに想っても別の華を連れてやって来る。そうしてソレを笑顔で受け入れる。そんな生活が待っていると言うのだから〝嫁ぎ先くらい箔《ﾊｸ》がつく〟と言うものだ。

　それを判っていないのだ。誰も彼もが。

　この国に貴族と曲がりなりにも名が付いた場所に生まれたら上を見るしかない。それしか〝生きる道がない〟のだ。

　後悔などしない。けしてしない。


　《　《


「珱月･･････」


　急いで家に帰ってみれば彼女は、寝込んでいた。帰宅してすぐにメイドからコトの次第を訊いた。
　敵が再び彼女に接触をしていた。寝室に行くと彼女は、眠って･･･気を失っていた。申し訳なく思いながらベッドに乗ろうとした･･････