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ソレは、そっと降り積もる・・・。
第6章 〝愛〟を知らない
「あなたのすることも、この国のことも私には全く判りませんから。」
「そうか。
今日は、王宮へ行く。」
「っ・・・?!!」
「やっと、こっちを見たな。王さまから予《カネ》てより〝逢いたい〟とお話しがあったし王妃さまも接見を望まれた。
今日お2人は、時間があるそうだ。我がランデルージュの国王夫妻に〝婚約者殿〟を紹介しよう。」
「っ・・・・・・」
彼のエメラルドの瞳が黒く陰ったような輝きを放っていた。国王夫妻に紹介などされてしまっては、逃げ場が本当になくなってしまう。
「王さまに〝初恋〟の女性を紹介するのは、初めてだ。幾分か緊張するものだ。」
「え・・・・・・?」
あの窓辺で訊いた言葉が降ってきて驚いた。〝厄介〟だと言っていたのも思い出す。
「〝お飾り〟、なのに・・・」
「なんだって?」