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不器用な夫
第9章 精液
清太郎さんが僕に困った顔を向ける。
「やはり…、ダメか…。」
悲しい顔を清太郎さんが見せる。
「何が…?」
「国松家の男は本物の男の性器にしか反応を示さないという事だ。」
清太郎さんがため息を吐く。
もしもディルドで誤魔化せる身体ならばイかせ屋に頼る必要がなくなる。
「国松家の為だけに、この玩具と言われる商品はここまでの発展を遂げたというのに国松家の男の身体は本物を見分ける力がよほどに強いとみえる。」
清太郎さんの嘆きの言葉になんだか恥ずかしくなって来る。
世界中の玩具が国松家の為だけに発展した訳じゃないでしょう?
僕が膨れっ面をするとその頬に清太郎さんが口付けをする。
「ほら、怒らないで…。」
「なら、どうするんですか?」
そう言いながら、今度は僕が着物を着た清太郎さんの股間に手を伸ばす。
僕の身体は熱を帯びて完全に疼いた状態だ。
そこまで追い込んだ清太郎さんに責任を取って貰おうと僕は清太郎さんをその気にさせる。
僕は国松家の男で僕のフェロモンに男は引き寄せられて僕に従う運命にある。
僕の本能が例えイかせ屋の清太郎さんでも僕の虜に出来ると訴える。
なのに清太郎さんの股間はピクリともしない。
着物の裾から手を差し入れて確認する。
清太郎さんはニヤニヤとして僕がしたいようにさせている。
ふにゃふにゃなままの清太郎さんのペニス…。
公平は僕が触れる事なく勃起する。
あの曽我でさえ…。
なのに清太郎さんに反応はない。
「ゲイだと言いませんでしたか?」
自分の思い通りにならない悔しさから清太郎さんを詰るような言葉をぶつけてしまう。