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不器用な夫
第12章 勃起



哀しみの表情を浮かべて僕のペニスを咥えるハコを見るのが辛いだけになって来る。


「ハコ…、もういいから…。」


ハコをそっと抱き上げる。


「だってっ!要さん…。」


ハコの叫びを塞ぐようにキスをする。


「焦らないで…、僕は不器用な夫です。女性の扱いが下手だし、焦ると…、ほら、萎えちゃうんだ。」


あくまでも不器用だから緊張をして勃たないのだとハコに説得を試みる。


「ハコが悪いんだよ…。」


国松家の嫡子が出来ない嫁は国松家の嫁ではないとだけ聞かされてるハコは自分を責める。


「そんな事はないよ。ハコはとても可愛くて僕みたいなおじさんには勿体ない女性だよ。」

「要さんはおじさんじゃないもん。」

「僕はとにかく不器用で…、何をやっても下手くそなおじさんだよ。」


ハコが苦笑いをする。

少しでもハコには笑って欲しいと思う。


「そんな僕だけど…、1つだけハコに約束する。」

「約束?」

「ハコだけを愛するとね…。」


ぱあっとハコの表情が明るくなる。


「ハコだけを?」

「そうだよ…、ハコだけを愛すると約束だ。だからハコ、夫婦としてゆっくりと愛し合って行こう。」


焦れば、ますますハコとの合体が難しいものになる。

イかせ屋には頼らずにハコと繋がり、ハコの中でイキたいと願う。

何度もハコの顔にキスをする。


「今夜はもう寝よう…。」


ハコが小さく頷く。

大きな瞳が閉じられると、すぐに小さな寝息が聞こえて来る。


「おやすみ…、ハコ…。」


僕の妻…。

僕が愛すると決めた、たった1人の女性。

あどけない寝顔はまだ少女のままだ。

僕はハコを傷付けたくはない。


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