この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater45.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不器用な夫
第12章 勃起
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
ギュッとハコを抱き締めて、なかなか寝付けない自分に苛立ちばかりを感じる夜だった。
夜明けに目が覚める。
ハコがベッドに居ない。
「ハコ…?」
ハコを探してリビングに行く。
「おはようございます…。」
フリルの付いた短いエプロンをするハコが台所に立ってる。
「何をしてるの?」
「要さんのコーヒーを入れてるの。」
ハコが笑顔を見せた。
そんなハコにキスをする。
僕の愛する妻としての努力をハコがしてくれる。
天然でズレたハコだけども、ハコはハコなりに必死に努力をする子だ。
今はハコがきっと良き妻良き母になれると信じるしかない。
だからハコを信じて着替えをして洗顔などを済ませてしまう。
ダイニングのテーブルに座りハコに出されたコーヒーを飲む。
「ぐはっ!」
行儀悪くコーヒーを吹き出した。
「要さん…、汚い…。」
ハコが眉を顰める。
汚いも何も…。
飲めたものじゃない。
うちのコーヒーはただのペーパードリップだ。
コーヒー豆にお湯をかけ、カップ1杯分だけを抽出するシンプルなコーヒーのはず…。
ハコが作ったコーヒーはやたらと濃く、ねっとりとした味わいがする。
「どうやって入れたの?」
「普通にコーヒー豆を入れてお湯をかけました。」
そのくらいは出来るとハコが口を尖らせる。
「コーヒー豆の量は?」
「ちゃんと線のところまで入れましたよ?」
ニコニコと答えたハコに脱力感を味わう。
ハコが入れた量はドリッパーのお湯の目安線までだ。
「そこまで注ぐのはお湯…、コーヒーは計量スプーン1杯分で充分です。」
「そうなの!?」
「自分で入れ直すよ。」
ハコは夕べの残りで朝食中だ。
![](/image/skin/separater45.gif)
![](/image/skin/separater45.gif)