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不器用な夫
第15章 相談
応えてやりたいのに…。
中途半端にしか勃起しない我が性器に嘆きたい。
事実をハコに伝えるべきか?
「あのね…。」
落ち着いて聞いて欲しい。
そう言おうとする僕の耳に授業終了の鐘の音が聞こえて来る。
「続きは帰ってからね。」
「先生…。」
「愛してるよ。」
ハコの耳元で囁き、服の乱れを戻してやる。
ハコを連れて教員室を出た。
正門で待つという白鳥の為にハコと正門へ向かう。
「先生がついて来るの?」
「忘れ物の受け取りを確認する。」
本当はノーパンの妻が白鳥と会うのが嫌なだけだ。
ハコは僕の気持ちにお構い無く、正門で待つ白鳥に大きく手を振る。
「持って来てくれた?」
「はい、お嬢様…。」
燕尾服に白い手袋をしたイギリス風紳士の執事がハコに小さな紙袋を差し出す。
僕は存在しないかのような白鳥の振る舞い。
「白鳥さん…、いつもご苦労様です。」
嫌味を込めて挨拶をしてやる。
ゆっくりと白鳥が僕に視線を向ける。
「これはこれは国松先生、いつもうちのお嬢様がご迷惑をお掛けしております。」
やっと気付いたと言わんばかりの白鳥が僕をねっとりと舐めるように見てから頭を下げて来る。
こいつのこの目付きが嫌いだ。
鋭く僕を射抜くような目…。
僕を虫けらのように見る。
執事のくせに…。
国松家の人間として無礼な振る舞いには苛立ちだけを感じる。
「ほら、先生…、もう行こう。早くしないと2時間目が始まっちゃう。」
ハコが小走りに校舎に向かって走り出す。
「失礼します。」
教師として白鳥に頭を下げてから慌ててハコを追いかける。