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不器用な夫
第15章 相談



清太郎さんにも新巻先生にも焦らずに落ち着けと言われたのに…。

ハコの事になると僕は自分を見失う。

初めての恋だからか?

天然のハコから目が離せないからか?

無垢で純粋で可愛いのに少し怖い僕の妻…。

ハコとの繋がりを確かにしたい。

僕だけの妻だと確信が欲しい。

その為に必要な事…。

そればかりを考える。

昼休みは新巻先生と食事をする。


「まだ考えてたの?国松先生って呆れるくらいに真面目なんだから…。」


新巻先生は気にするなと豪快に笑い僕の肩をバンバンと叩いてくれるが僕からすればハコをちゃんと女に出来ない不甲斐ない夫という立場に気が気でなく焦りがますます加速する。

放課後になり定時が来れば公平が運転する車に乗って家に帰るだけの状況になる。


「なぁ、公平…。」


後部座席から運転席に居る公平の背中に話し掛ける。


「はい、坊っちゃま。」


公平はスムーズに運転をしたまま僕に答える。


「帰る前に勃起させてくれないか?」


僕の言葉に加速中の車にブレーキがかかり車体が派手にガックンと揺れる。


「公平っ!?」

「坊っちゃまが脅かすからですよ。」

「脅かしてるつもりはないよ。」

「なら…。」

「僕はハコを抱きたいんだよっ!」


夫として、普通の男としてハコを抱きたいという願望を公平に説明する。


「しかし…、それは…。」


藤原家の仕事だと公平も理解をしてる。


「無理かな…、イク寸前でフェロモン全開の状況ならハコを抱いてハコの中でイカないかな?」


その為に直前までは公平のギリギリの愛撫を受ける事になる。

かなりハコには後ろめたいが浮気とは違うのだからと僕は公平に相談する。


「自分の部屋でよろしいですか…?」


公平は僕が望むのならと聞いて来る。

愛する妻を抱く為に身体の準備を男にさせる。

それはかなりの屈辱ではあるが愛するハコの為だと何度も自分に言い聞かせるしかなかった。


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