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不器用な夫
第17章 罪悪
「坊っちゃま…。遅刻します…。」
その声で飛び起きた。
「こう…へい…。」
僕の隣でハコも飛び起きる。
ハコが1枚しかない布団を自分の身体に巻き付けるから冷やされた身体に寒気が走る。
「朝食のご用意は出来ております。お2人共にお急ぎ下さい。」
公平は要件だけを言うと寝室から出て行く。
「遅刻ーっ!?」
ハコが素っ裸でベッドから飛び出す。
「ハコっ!」
その勢いで寝室からも飛び出しかねないハコを捕まえる。
「慌てるのは服を着てからね。」
まだ寝ぼけてるハコに着替えをさせてから僕も自分の準備に取り掛かる。
遅刻と言ってもギリギリではない。
これ以上は時間的に危ないと見かねた公平が起こしに来ただけだ。
「要さん…、寝かせてくれないんだもん。」
赤い顔でハコが口を尖らせる。
「ごめんね。」
苦笑いをしてハコにキスをする。
遅刻気味だから、あまりベタベタとしてる時間はなく急いで朝食を済ませて家を飛び出した。
「いって来ます!」
元気なハコが駆けて行く。
僕は自分が自分じゃない感覚を漂う。
「坊っちゃま…。」
車の中で公平が渋い顔をする。
「わかってる…。」
性欲に疼く身体が熱を帯びてて重く気怠いまま車のシートに踞る。
「どうにかして頂かないと…。」
「わかってるってば…。」
フェロモンの放出が止められない僕に公平がはぁはぁと息をして欲情する。
まさに極限状況だ。
職員室すら避けて出勤する羽目になる。
授業だけはしなければ…。
怠い身体を引き摺り仕事だけはこなしていく。
今日は3限目までしか僕が受け持つ授業がない。