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不器用な夫
第20章 秘密
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翌朝はハコが僕を見て赤い顔をする。
「お…はよう…。」
気不味い空気が漂う。
「おはよう…、ございます…。」
ハコが何かを恥ずかしがり俯いた。
まさか…!?
ハコが夕べは起きてたのかもしれないと思うとハコをまともに見られずに狼狽える。
チュッ…。
と頬でリップ音がする。
「なんか…、夕べ…、凄く気持ちいい夢を見たの…、だから何故かパンティーの中がぬるぬるしてる。」
真っ赤になったハコが両手で自分の顔を挟む。
「そんなに気持ちいい夢だった?」
「うん…。」
「僕に触られるよりも…。」
「それは…、あんっ…。」
夕べのようにハコのキャミソールの肩紐を下げて剥き出しになる乳首を指先で摘んでみた。
「意地悪…。」
「愛してるだけだよ…。」
朝っぱらからハコに興奮する。
「これ以上はだめぇ…、せっかく覚えた数学の公式を全部忘れちゃいそうだもん。」
はにかみながら笑いハコがベッドから飛び降りる。
試験前なのに生徒へ淫らな行為をしたい欲望を持つとか夫以前に教師としても失格だ。
「そうだね…、ハコは試験の事だけを考えて頑張ってくれよ。」
「お義母様とも約束したもん。だから今回は絶対に頑張るんだ。」
ずっと1人ぼっちだったハコはかなり母に懐いてしまったらしい。
「母さんだけの為?」
拗ねた僕にキスをする。
「もちろん要さんの為です。」
ご機嫌でハコが笑う。
その笑顔が消える事ないように願う僕に逆らうように運命の歯車が動き出す。
試験は順調に進み最終日を迎えた。
「今日が終われば…。」
職員室で教師は誰もがそう願う。
採点に追われ、担任を持つ教師はその結果をパソコンに記録する。
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