この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不器用な夫
第3章 学校
「今日の欠席者は?」
「ありません。ハコが遅刻ギリギリだったのは相変わらずですよ。」
比較的にハコと仲の良い果歩が呆れたように笑う。
普通の学校とは違い親友とかをあまり作らない学校だから親しいというだけの関係に留まる学生が多い。
家柄での付き合いがある。
自分の家柄に囚われがちな学生は下手な人付き合いで親友になれば、その友人関係で痛い思いをする事も少なくはない。
寂しい人間関係に見えるが自分を守る為には他人の全てを敵だとする方が楽なのかもしれない。
果歩をぼんやりと眺めながらそう思う。
果歩は戸棚の一番上へと手を伸ばしつま先立ちながら戸棚にしがみつくような姿勢で全身を伸ばす。
スラリと伸びた腕…。
白いセーラー服の上着の脇から果歩のスリムな腰とヘソが見える。
短すぎるスカートからも白くて細い脚が見える。
随分と痩せてるな…。
僕はぼんやりと考える。
「先生、これは何かの嫌がらせ?」
果歩が僕を睨みつける。
「は?」
「わざと一番上の棚にチョークを置いたの?私じゃ届かないよ。」
「ああ、すまない。昨日、下の棚の本を取るのに僕が避けたんだった。」
いつもなら下の棚に新しいチョークが入った箱を置いている。
果歩はそれを取り出すとさっさと教室にいくはずが、今日に限って新しいチョークが取れずに僕に苛立ちを見せて来る。
「新しい縛りプレイかと思っちゃった。」
「あのね…、僕がそんな事するはずがないでしょ。」
果歩の後ろに立ち新しいチョークの箱をいつもの棚へと戻してやる。
その僕の手に果歩が細い手を重ねて来る。
「先生になら…、何されてもいいかな…。」
そう果歩が呟いた。
「大人をからかうな。」
僕にわざとパンチラを見せたりして僕をからかおうとする学生が居るような学校では迂闊に学生の言葉に乗る訳にはいかない。