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不器用な夫
第22章 時間



「若い…、そして美しい。この子の取り柄はそれだけですよ。国松先生…。」


名家の為に犠牲になる果歩はそれで充分だと言う叔父の言葉を僕は理解が出来ない。

叔父はただいやらしく笑いながら果歩に更なる命令を下す。


「ほら…、果歩。お前の努力が足りないから先生も困ってるだろ?」

「はい、叔父様…。」


果歩が叔父に撫でられた脚をゆっくりと開く。

下着がない。

その事実に僕は目を見開く。

果歩がゆっくりと自分の股間に手を添える。


「先生の子種を私に下さい。」


小陰唇を指先で開き蜜壷を僕に晒した果歩が助けてと僕に目で訴える。


「今日はあくまでも進路の決定を話し合う面談です。個人的相談は改めて三浦君と話し合います。」


僕は果歩にここまでさせた叔父を睨むしか出来ない。

ガハハと下品に叔父が笑う。


「果歩の事をお願いしますよ。国松先生…。」


そう言って叔父は果歩を連れて教室から出て行った。

何故、そこまで果歩を追い詰める必要がある。

無言のまま、果歩に何もしてやれない自分に腹が立ち机を勢いよく叩き付ける。

怒りが湧く。

他の名家の事には首を挟まない。

そんな常識が吹き飛ぶほどの怒り。

間違いなく果歩は僕に救いを求めてた。

それは教師に対する救いでなく国松の男に対する救いだが、果歩を見捨てる事は出来ない。


ごめんね…、ハコ…。


帰りが遅くなれば妻はまた動揺する。

それでも僕は果歩を救う道を探してやりたいと思い学校を出る。


「今日の迎えは要らない。その代わり僕が帰るまでは絶対にハコの傍に居てやってくれ。」


公平に電話をして、そう命じる。


『御意…。』


公平は余計な事を僕には聞かない。

学校を飛び出した僕は真っ直ぐに果歩が居ると思われる場所へと向かった。


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