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不器用な夫
第3章 学校
それは間違いなく夫を出迎える妻の図ではあるのだろうが僕は叫ばずには居られない。
「茅野君!」
「はい?」
眉間に皺を寄せてハコが僕を上目遣いに僕を見る。
僕はやはりハコにため息を吐く事になる。
「あのね…、茅野君…。」
「ハコだってば…。」
目を伏せて泣きそうな表情に変化するハコの前に僕は跪いてハコの顔に手を当てる。
「1つだけ確認するけど、茅野家ではそんなはしたない姿で主を出迎える習慣があるのか?」
僕の言葉にハコがもじもじと身体を揺らす。
「だって…、これは…、先生が…。」
もぞもぞと言い訳をするハコを宥めるように僕は話をしてやる。
そうしなければ裸に裾の短いエプロンだけという姿のハコに僕は目のやり場がなく困る。
エプロンの胸元の隙間からは小さな乳房、そしてエプロンにはくっきりと尖る乳首の形を見せてるハコに僕は落ち着きを失くしてゆく。
「ねぇ、今夜は夫婦として君と話し合いたいと僕は思ってる。」
出来るだけハコの胸元を見ずに僕は素直に自分の気持ちをハコに言う。
ハコが焦る気持ちは新巻先生から聞いてたが、ここまでしてグイグイと押されると僕は逆に引いてしまう臆病者だ。
そこをハコと話し合いたいと僕は望む。
「夫婦として?」
「そう、夫婦として僕とハコとの話し合いをしたいんだ。」
「ハコと先生の?」
「先生じゃないだろ?」
僕の言葉にハコが大きな目を更に大きく見開いた。
「かな…め…さん…。」
「うん、学校では僕は先生だ。だけど家では僕はちゃんとハコの夫としてありたいと思う。だからハコと呼ぶつもりだし、ハコの事を理解したい。」
ハコが嬉しそうにはにかむと僕の罪悪感が少しだけ薄れて来る。