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不器用な夫
第30章 おかえり



「そんなに凄かったのか?」

「奥方様がね…。」


アメリカに帰ったハコは一気にスキップしてやると叫び高校での教科書を全て丸暗記したらしい。


「1ヶ月は徹夜しましたよ。」

「お疲れ様…。」

「鈍臭い坊っちゃまが懐かしいです。」

「鈍臭いって言うな!ちょっと不器用なだけだ。」

「奥方様は鈍臭いと決定を下しましたよ。」


公平の言葉に言い返せない僕はやはり鈍臭いのだろうと凹む。

凹む僕の前に狐うどんが現れる。


「ハコ?」

「冷蔵庫にその材料しかなかったもん。」


それはそうだと納得をして久しぶりにハコが作るうどんを食べる。


「不味っ!」


そう叫ぶ。

うどんはベチャベチャで味のしない汁と油っこい揚に胸焼けがする。


「公平っ!」

「奥方様は向こうで学業しかしておりません。」


それを先に言えと言いたくなる。


「僕が作る。」


狐うどんだけは自信がある。


「要さんが!?」

「坊っちゃまが!?」


2人掛りで叫ばれるとよほど信用がない夫だったのだと反省する。


「今はスーパーにも1人で行ける。狐うどんはちゃんと作れる。僕だって成長はしてます。」


なんでもいいからハコに誇れるものが欲しかった。

君は誰よりも早く成長する子だから…。

ほんの少し目を離せば、あっという間に僕は君に相応しくない男にされる。

それが怖かった。

自分の道を見つけたハコが僕のところに帰って来なくなるのが怖かった。

公平が帰り、ハコと2人だけになると僕は緊張する。

ハコはまだ僕の妻だろうか?

公平はこの2年にハコが他の男と遊ぶ暇すらなかったと言っていた。

高校のスキップを早々と決めて大学のスキップまでもをやり遂げた妻に感心する。


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