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不器用な夫
第5章 愛人
苦痛は全く感じなかった。
それが国松家の男の身体だと後で知った。
快楽だけのSEXを求めた場合、国松家の男は女性よりも男性に抱かれる事に溺れる体質だ。
女性と交合い愛を営んだとしても女性の中ではなかなかオーガニズムに達せない国松家の男。
なのに男にアナルを突かれると呆気なくオーガニズムに達してしまう。
「公平…、奥に…、当たってる。」
「もっと…?」
「あんっあーっ…、出る!出ちゃう!」
快感だけを公平に求め続ける日々。
それは高校に入る頃に変化する。
「お前もそろそろ国松家の男がどういうものかを理解すべき歳だ。」
そう父に言われ国松家の呪われし秘密を知った。
父は僕という嫡子を得て、今は愛人とホテル暮らしを繰り返す。
父の愛人は全てが男だ。
母はそれを受け入れた。
女はお前だけだと父に説得を受けたから…。
母は男に溺れる父に屈辱の涙を流しその状況を受け入れた。
全てを知った僕はまずは公平から離れる事を考えた。
公平は僕のフェロモンに引き寄せられただけだ。
東も多分、父の愛人の1人なのだろう。
公平は僕を愛してる訳じゃない。
僕も公平を愛してはいない。
このまま僕が公平と性的快楽だけに溺れ続ける事は国松家には滅びしかないと知れば国松家の男に生まれた事を呪う事になる。
大学に入ると同時に公平を遠ざけるように一人暮らしを選んだ。
それでも、未だに公平を手放せない。
女性に対しても公平から得るほどの興奮を感じずに興味を示さないまま、ここまで来た。
出来るだけ公平を遠ざけて来たつもりなのに…。
「挿れてもいいですか?」
僕の胸を撫で回しながら耳を噛む公平が呟く。
それは悪魔の囁き…。
僕は公平が僕に与える刺激に喘ぎ悶えながら逃げ出す事ばかりを考えてた。