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Aさん ~私を淫らにする人~
第5章 許したストーカー行為
でも、カップにインスタント・コーヒーの粉を入れてそれを小さなスプーンを使って混ぜるだけで、なぜか人の奥さんにでもなったような幸せな気分がした。

「テレビ、つけていいかな?」

「どうぞ」

台所とお部屋の隔てた言葉を交わしてから、「おまちどうさまでした」とコーヒーを持っていった。

「ありがとう」とそれを受け取ってくれたAさんは、すぐにそれに口をつけて「うん、おいしいよ」と言ってくれた。

たとえインスタントでも、そう言ってくれるのは嬉しい。
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