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Aさん ~私を淫らにする人~
第8章 お部屋を物色されて
本当にイヤなら自分の方から電話を切ればいいだけなのに、なぜだかそれは出来ない。

見られたくないものが次々に暴かれていくことに、妙に性の興奮を感じていた。

やっと上の引き出しも閉ざされてもう終わりかと思えば、また画面は壁伝いの浮遊を始める。

キッチンへ続く扉が開かれて、使用感のない台所が映される。

それから反対側に向いて一番右側のドアが開けられると、トイレが映しにされた。

ピンクのカバーを掛けられた便座は降ろされいて、蓋が開けたままにされている姿は、一人暮らしのだらしなさを見せられているようで情けなかった。
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