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Aさん ~私を淫らにする人~
第10章 思いもしないことが
会議室の後片付けを終えて事務所に戻ると、石井さんの言葉を思い出してつい周りの男の人達を見てしまう。

でも、みんな仕事に集中していて誰も私の事なんか見てはいない。

まぁ、お仕事中だからそうなのかなと思うけれど、どこかで石井さんに単にからかわれただけなのかもと疑った

。社内一イケメンの石井さんに私なんかが前から良いなんて思われていたなんてどう考えてもおかしい。

からかわれただけ、きっとそうよと自分に言い聞かせて普通に業務に戻っていつものように一日のお仕事を終えた。

でも、いつも通りに家に帰っても、今日は鏡を見る回数が多かった。

石井さんに言われたように、私って綺麗になっているのかと。

冗談と分かっていても、そんなことを言われるのは嬉しい。
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