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第3章 失恋の夜は玩具で

しかも女の人を連れて、無神経にも「ここ、空いてるよ」その人を私の正面に座らせてからその人の横に座った。

初めて聞いたＡさんのナマ声に胸はキュンとしたけれど、それ以上に他の女の人と隣り合って座り楽しそうにしているのが耐え難っかった。

いっそのこと席を離れて他の車輌に移ろうかと思ったけれど、あまりに疲れているからお尻を上げることが出来なかった。

目は向かいに見える窓の向こうや下の床を見ていようと思うけど、どうしてもＡさんたちの事をチラッ、チラッと見てしまう。

特に連れている女の人のことを。

顔は私よりはいいかもしれないけど、普通だ。

決してキレイと言えるほどのものじゃないし、胸だって変わらない。