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第1章 黒い暴行

大手新聞社に届いたファックスの怪文書は、どこから送られてきたのかについては、電話番号が非通知設定になっていたので特定はできませんでしたが、怪文書の内容は、24年前に栃木県北部で発生した連続レイプ殺人事件に関連する文章だったと想います。

怪文書が届いてから数十分後に、野田市の警察署の前に700人以上の新聞記者たちが押しかけまして、警察署に取材の申し込みをしていたので、警察署の職員さんたちが対応にクリョしていました。

この時、勇一郎は取調室にいまして取調官からの取り調べを受けていましたが、モクヒ権を行使してえらそうな態度をとり続けていました。

24年前のことなんか知らない…

ぼくは…

栃木県に家出していたことはあったけど…

人殺しなんかしていない…

レイプ殺人事件なんか犯していない…

ぼくはその時、まだ西も東も分からない…

16の少年だったのだよ…

世間は…

24年前のレイプ殺人事件は…

ぼくが容疑者だと言いたいのかよ…

勇一郎は、えらそうな態度をとりながらも24年前のレイプ殺人事件のことを聞いたとたんに、ひどく気持ちが動揺していたのでありました。