この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
僕の美しいひと
第3章 じゃじゃ馬ならし
…何を怒っているのだろう…。
郁未は訝しがる。
「…ああ。…まあ、母も心配してくれているし…。
でも、会うだけだよ。
再三お膳立てしてくれた母の貌を潰すわけにはいかないからね」
「でも、そのひとがいいひとなら結婚するんだろう⁈」
黒眼勝ちの清良の瞳が苛立たしげに光った。
「い、いや…それは分からないけれど…そりゃ、いいひとなら…ね…」
清良の剣幕にたじたじになりながら、郁未は答えた。
「あっそ!」
清良が唇を真一文字に結ぶと、ランプを郁未に押し付けた。
「女子寮に異常なしです!失礼します!」
「き、清良?どうし…」
清良の怒りの意味が分からずにおろおろする郁未を残し、ずんずんと廊下の奥に消える。
「清良!待ちなさい!」
慌てて声を掛ける。
すると不意にくるりと振り向き、盛大にあかんべーをして見せた。
「見合いでもなんでもすればいいじゃん!バカッ!」
捨て台詞を残すと、清良はあっという間に姿を消した。
「…何を怒っているんだ…?」
…あとには、狐につままれたような貌をした郁未が一人残されたのだった…。
郁未は訝しがる。
「…ああ。…まあ、母も心配してくれているし…。
でも、会うだけだよ。
再三お膳立てしてくれた母の貌を潰すわけにはいかないからね」
「でも、そのひとがいいひとなら結婚するんだろう⁈」
黒眼勝ちの清良の瞳が苛立たしげに光った。
「い、いや…それは分からないけれど…そりゃ、いいひとなら…ね…」
清良の剣幕にたじたじになりながら、郁未は答えた。
「あっそ!」
清良が唇を真一文字に結ぶと、ランプを郁未に押し付けた。
「女子寮に異常なしです!失礼します!」
「き、清良?どうし…」
清良の怒りの意味が分からずにおろおろする郁未を残し、ずんずんと廊下の奥に消える。
「清良!待ちなさい!」
慌てて声を掛ける。
すると不意にくるりと振り向き、盛大にあかんべーをして見せた。
「見合いでもなんでもすればいいじゃん!バカッ!」
捨て台詞を残すと、清良はあっという間に姿を消した。
「…何を怒っているんだ…?」
…あとには、狐につままれたような貌をした郁未が一人残されたのだった…。