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劣情ストーリーテラー
第71章 私だってイチャイチャしたい
おはようございまーす
「おはよう」
あー、店長、前髪つくったんですねー
「見ればわかるでしょ」
いいじゃないですかー、うん、とってもキュート
「バカいってないで開店準備しなさい」
いやいや、本気でいいですよ、その流し方もいいと思う
「これが精いっぱいだったのよ」
もう少し長さ短くして、厚めにとって真っ直ぐ下ろしてもいいかなあ
「いい年してそこまでできないわ」
えー、けっこういろんな年齢層でそういうスタイリングしてますよー
「久しぶりすぎて落ち着かないわ」
まー、結わえるほうがまとまるのは当然ですしねー
「あー、やっぱやめときゃよかったかなー」
そんなことないと思いますけどね、あ、でも、店長ポンパにしてるの人気ありましたけどね
「またそういうことを」
いやいや、店長のおでことってもツルツルだからラインだすのきれいですよー
「お世辞はいいから」
はーい、じゃあ掛かりますかー
「わかってるわね」
あ、はい、吉田さん、もう出勤してきますから
「こういうふうなの、店長失格なのかしらね」
さー、どうでしょうね、どこのお店にもある話だと思いますよ
「人間だから、私情を挟むなってのが無理なのはわかってるけど」
大丈夫です、シメまでに吉田さんのほうがちょっとだけ数字よくなればいいんですから
「簡単に言うけど、そんなにうまくいくわけないんじゃないの?」
できますよ、僕のお客様からすこし手加減して吉田さんに頼むようにしたらいいだけです
「でも、あなたの数字が下がる」
いいですよ、今の給料で満足してますし
「贔屓とかはしたくないんだけど」
そりゃあ店長が若いスタッフとイチャイチャしてるくせに、そいつが一番数字よければ誰だって気分よくないですよ、それに自分はダンナがいるってみんな知ってるからチヤホヤしてくれないけど、若いスタッフとか楽しそうですもん
「彼女も私くらいの年になったらわかってくれるかしら」
さあ、性格とか環境とか、経験だけじゃあねえ