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鳥籠
第5章 chapter 5 交わりあう傘

晴陵学園の貴公子
他学年はもちろん、近隣の学校にも追っかけがいたほど人気のあったイガ カシヒロ君。
「ケイは~もうフクトメって変わっちゃったんだよ~」
無邪気な友人の言葉が少し刺さる。
「そっかそっか~」
こうしてみると、変わらない人もいたり、太ったり、髪が薄くなったりみんなそれぞれ歩いてきた道があって、それなりに大人になっていた。
一次会は早めに切り上がって、二次会は今時のバルで行われた。
「フジキさん?って強いんだね」
同じ日に全く違って聞こえる同じ言葉。
「んー何て言って良いか解らないな~ありがとう?」
「このあとカラオケらしいんだけど、フジ...フクトメさん行く?」
「ケイで良いよ」
「んーせっかくだけど....良いかな~って」
「そっか、じゃあ今から7.8人で飲み直しに行くんだけど、そっちは?」
確かに、夕暮れ時の奇妙なバーでの一件のせいで今夜は酔いたい気分だった。
「そっちだったら行きたいかな~飲み足りないし」
「じゃあ決まり!ちょっと電話してくる」
「奥さん?」
夫の浮気を目撃し、近所の高校生とシて、すっかり男を醒めた目で見ながらからかうのが板についてきた。
「違う違う。今日はこっちにいる弟ん家に泊まりなんだ」
私も女として、色恋から距離が置けたと思っていたとたんにきたカウンターだった。
「おーマヤヒコ今日まだ飲みそうだから、迎えはいいわ」
「....同窓会だよ....え...そうか...わりいなまた連絡する。」
イガ マヤヒコ
その名前が忘れていた学生時代のうずきを思い出させる。

