この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
MILK&honey
第22章 いつ、どこで、どんな風に出会っても、

「……へ?」
耳を、疑った。
俺のお詫びは、朔に「ヒカリの格好のままで会え」って言われて以来、考え続けてこねくり回した内容だ。
るりちゃんはそれを聞いて、怒るなり、泣くなり、俺を罵るなりしてくれたら良い。
……そう思ってたのに。
るりちゃんは全部聞いてくれた後、話す前と同じようにか、それよりもっと自信無さげに、「良いの?」と言った。
「なんで?!良いに決まってんだろ?!」
そんなの、良いに決まってる。
俺が悪かったんだし、俺がるりちゃんにお願いしてるんだ。
なのに、良くない事なんてねーよ。
「前からずっと言ってるし、さっき、黒田さんも言ったよね?るりちゃんはお客さんじゃ無え、って」
「ん……でも……」
「良いの?」って言われてしまうのは、怒られるより、たちが悪い。どうしたら納得して貰えるのか、皆目分からねーからだ。
「でもじゃねぇから!るりちゃんは、るりちゃんが嫌になるまでは、『ここにお住まいの方』だから!」
俺はとにかく、るりちゃんを必死で説き伏せようとした。
「……迷惑じゃない?」
「なんで、迷惑?」
るりちゃんは、俺に女が居ると思って、迷惑かけねー様にって、ここに来なくなった筈だ。
それは誤解だって分かったんだから、迷惑だなんて思う訳が無え。
なのに、今でもるりちゃんの目は、不安そうに揺れている。
何が、君をそんな風にしてるのか。
分からない自分が、もどかしい。

