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MILK&honey
第8章 「ご飯と、かーさんと、物真似と」

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「ごめん……トマトしか入ってなくってごめん……」
光さんの家には、冷蔵庫にトマトと、パスタと、調味料くらいしかなかった。
それでできるもの……って考えて、トマトの冷製パスタ……っぽいものを作った。
っぽいっていうのは、冷たくしないで食べちゃうことにしたから。
特別なことは、トマトの湯剥きをしたくらい、だけど。
お料理はしないらしい光さんは、いちいち驚いたり、感心したりしてくれた。
出来上がって、頂きます、って食べ始めたら。
「…………旨っ!?」
「なに、これ?!なんで、こんな旨いの?!」
「るりちゃん、すげえ……料理上手だね……!!」
光さんはお皿を抱える位の勢いで、旨い旨いって、食べてくれた。
美味しいって食べて貰えて、ものすごく嬉しい。
光さんとご飯作れたの、すごく楽しかった。
洗ったお皿を拭きながら、幸せな気分になる。
でも……
「でもは、無し!!」
光さんは、怒ったみたいに私の方に向き直った。

