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家に桜の木が有るんだけど花見しないかと彼女を誘ってみた話
第5章 花は盛りに

「お花見誘ってくれたのなんて、初めてだね」
「……そうだっけ?」
小さい頃から、いつも側に居てくれる彼女。
誰よりも自分を分かってくれていて、自分勝手な所も汚い所も全部知っていて、それでも絶対、裏切らない人。
「自分で気付いてないの?呼び出すのも、押し掛けるのも、理由なんかいつもおんなじ……生理的欲求ばっかりじゃない」
「……生理的欲求?」
髪にとまった花片を、取ってやる。子供の頃からの習慣だ。細くて長い彼女の髪は、物が絡まって取れなくなる事が多いから。
「生理的欲求っていうのは、お腹すいた時と、眠れない時と、したくなった時……んっ……」
口うるさい唇を塞いで、体を弄る。
彼女の言う通り、花見だけでは呼び出さない。僕らの付き合いは、ずいぶん前から生理的欲求と必ずセットだ。
「もうっ……だから、生理的欲求ばっかりって、言われるんでしょ!」
「……自分だって、待ってる癖に」
耳に息ごと囁きを吹き込んで、胸に手を這わせると、触れるだけで喘ぎが漏れるくらい、固くなってた。
「違っ……ダメっ、こんな所で……記事になっても、知らないからね!」
「大丈夫だよ、ここ借り切ったもん」
「そんなこと出来るの?!」
「……僕を、誰だと思ってるの?」
そう嘯くと、彼女は微笑んで苦笑した。

