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遅すぎる初恋
第15章 すれ違い
「……ごめん、疲れてるから」

『そっか』

そう言うと、おでこにキスをする。
そのまま紫音に抱きしめられながら、眠りについた。

真実を聞けない俺は生まれて初めての恋愛にかなり臆病で、自分に自信なんてないから、紫音みたいな完璧な男が俺を好きでいてくれる自信もないのかもしれない。

それから数日。
紫音とはすれ違う生活が続いていた。

夜中目が覚めると、隣で寝息を立てている。
疲れているだろうなと思うと、ヤリたいなと思っても行動に起こすことはできない。
淋しい気持ちもあって腕のあたりに抱きついてみる。

こんな俺でごめんーーー、と心の中で謝る。

前に誘われた時に断らなければ良かった。
何度も味わってる快感が今はなくて、近くにいるのに遠い。



ーーー紫音sideーーー

疲れていてベッドに入ったらすぐに眠気が襲う。
愛しい人は静かに寝息を立てていて、すれ違いな生活に寂しさが募る。
柔らかな髪を撫で、眠りについた。

ふと目が覚めると腕に抱きつくように寝ている和哉。
一緒に暮らしてるのに遠い存在。

オレは和哉の身体毎抱きしめて再び眠りについた。





紫音は今日から5日間出張へ行く。
何かに焦っているのかそんな頻繁に出張って、おかしいんじゃないか……なんて言えたらいいけど。

抱きしめられてる腕をそっと解き、仕事へ行く準備をする。

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