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遅すぎる初恋
第16章 相談
居酒屋へ先に行き、飲み物だけを頼んで待っていると「遅れてごめん」と仕事帰りの佐伯さんが現れた。

赤?というよりはピンクっぽい、明るめの茶色い髪は前に切ってもらった俺くらいの短髪で、一見チャラそうなのにそれがまたよく似合っている。

「俺の方こそ、急な誘ったりして、すみません」

紫音も年下なのに落ち着いてて俺よりは大人な雰囲気だけど、それとはまた違う大人の雰囲気がある佐伯さんに思わず見惚れていた俺は数ヶ月前に一度しか会ってない佐伯さんを図々しくも飲みに誘ってしまい、慌てて謝った。

佐伯さんは席に着き、やはりビールを頼む。

注文を待っている間。
机に頬杖をつきながら、佐伯さんは言った。

『あのさ、恋人と何かあった?』

思わず飲んでいたレモンサワーを吹き出しそうになった。
俺ってそんな、顔に出てる!?
てか、佐伯さんに恋人いるなんて言ったっけ!?

「え、ど、ど、どうしてですか!?」

『何となく。前も一人でいたくないって言って俺の誘いに乗ってきたし、今回もそうかなって思って』

職業柄かな。やっぱこの人はすげえや。
聞き上手で話したくもなる。

「佐伯さんってやっぱすげえや。そんなこともわかっちゃうんですね」

この人になら俺の気持ちとかもわかってもらえるかな。
俺はレモンサワーを一気に飲んだ。

「ちょ、ちょっと待って。宮内さん、あんまりお酒強くないよね?」

ホントすげえ。
何でもお見通し。


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