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遅すぎる初恋
第22章 実った初恋
6年後ーーー。
俺は31になり、紫音は30になった。
大垣さんは主任になり、3児のパパだ。
東雲さんは説得した結果、彼が大学卒業したと同時に結婚をし、今年子供が産まれた。
佐伯さんにも良い出会いがあったらしく、4人で会ったこともある。
変わったようであまり変わらない俺の周り。
一つ大きく変わったとしたら。
「宮内さん。お昼一緒に行こう」
紫音は30を目処に社長業を学ぶため、2課から社長室付きに異動になった。
が、私欲のために、今でも週2で2課のお手伝いに来る。
今日はお手伝いの日。
いつもの人が少ない公園でベンチに並んで座る。
「さてさて、今日のお弁当は何だろうな」
毎日子供みたいに喜びながら食べてくれるからホント作り甲斐がある。
何気ないこの日常が幸せだ。
このまま紫音とずっと一緒にいたい。
「和哉。今度さ、二人だけで式挙げようか?」
「へっ?」
「実際には結婚するわけじゃないけど、無人の教会があるんだって。そこ行ってさ、神様に誓おうか」
「え、それって」
「ん、まあ世間的に言えばプロポーズのようなもんかな。紙切れには誓えなくても二人だけが神様に誓えたら、それで良くない?」
平日の昼下がり、誰もいない静かな公園で愛しい人からの言葉に俺はうなづいた。
チュッと触れるだけのキスをし、残りの時間でいつにするか話し合った。
初恋は実らないとか言うのに、奇跡的にも俺の初恋は実った。
こんな可愛くてカッコいい旦那兼嫁なんていないでしょ。
完
俺は31になり、紫音は30になった。
大垣さんは主任になり、3児のパパだ。
東雲さんは説得した結果、彼が大学卒業したと同時に結婚をし、今年子供が産まれた。
佐伯さんにも良い出会いがあったらしく、4人で会ったこともある。
変わったようであまり変わらない俺の周り。
一つ大きく変わったとしたら。
「宮内さん。お昼一緒に行こう」
紫音は30を目処に社長業を学ぶため、2課から社長室付きに異動になった。
が、私欲のために、今でも週2で2課のお手伝いに来る。
今日はお手伝いの日。
いつもの人が少ない公園でベンチに並んで座る。
「さてさて、今日のお弁当は何だろうな」
毎日子供みたいに喜びながら食べてくれるからホント作り甲斐がある。
何気ないこの日常が幸せだ。
このまま紫音とずっと一緒にいたい。
「和哉。今度さ、二人だけで式挙げようか?」
「へっ?」
「実際には結婚するわけじゃないけど、無人の教会があるんだって。そこ行ってさ、神様に誓おうか」
「え、それって」
「ん、まあ世間的に言えばプロポーズのようなもんかな。紙切れには誓えなくても二人だけが神様に誓えたら、それで良くない?」
平日の昼下がり、誰もいない静かな公園で愛しい人からの言葉に俺はうなづいた。
チュッと触れるだけのキスをし、残りの時間でいつにするか話し合った。
初恋は実らないとか言うのに、奇跡的にも俺の初恋は実った。
こんな可愛くてカッコいい旦那兼嫁なんていないでしょ。
完