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遅すぎる初恋
第6章 番外編:ヒトメボレと初恋【紫音編】
オレがその人と出会ったのは、海外研修から戻ってきた日。
本社社長の叔父さんから、次の研修先として指示された支社の上司となる人へ挨拶に行った時。

オレの父親は、社長の年の離れた弟で会社経営よりも見た目を生かしたことに興味があり、モデルやら俳優などを目指していた。
日本よりも海外に興味があり、大学卒業と同時に英国へ留学。
そこでの生活が父親にとって合っていたらしく、日本へ帰ることはなかった。

そしてそこで知り合った女性と結婚し、オレが生まれた。

それから15年後、オレの両親は交通事故でなくなり、唯一の身内が叔父さんだったオレは、西園寺グループの本社社長へ引き取られることになった。
叔父さんは会社経営に力を入れすぎていて、結婚には興味なく、未だに独身でいる。


「それじゃ、西園寺さん、明日からよろしく頼みます」

この支社部長と課長に挨拶が済んだオレは配属先となる2課を遠目から見て帰ることにした。

1課は主に営業担当、2課は事務的作業を担当している。
作った製品を海外へ輸出する際のマニュアル作りやその他の資料作りをなど、四六時中パソコンと睨めっこしてるような部署。

オレの契約は3年。その後は本社で営業。
期間は短いが、その間一緒に仕事する人がどんな人たちなのか確かめたくて、遠くから様子を見る。
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