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遅すぎる初恋
第6章 番外編:ヒトメボレと初恋【紫音編】
いわゆるエンジニアとかが集まる部署で働いているのは男性ばかり。
人数も社内で一番少なく、残業の多い部署。

課毎の隔たりはガラス窓となっていて、遠目でもすぐに確認できた。
一番入社率、退職率が少なくて平均年齢は高め。

その中で、彼を見つけた。

黒髪で黒縁眼鏡。前髪は長めでパソコンとにらめっこしている。
ただ年齢は断トツ若そうなのに、キーボードを打つスピードが速い。
隣の席の人に話しかけられるたびに、対応はするけど、すぐにキーボードへ向かう。
時折、頭を撫でられ、慌ててる姿が可愛くて。

「ヤバ、あの人、すごい好きかも」

23歳にしてオレは初めて自分から誰かを好きになった。


オレは恋愛に関しては男女どちらでも関係ない。
それは海外で生まれ育ち、初めて恋愛的な好意を持たれたのは小学生の頃で相手は同級生男子だったからだ。思春期でエッチなことに興味あったオレたちは、親や周りの人たちには内緒で二人で抜き合いやセックスをしていた。オレの童貞喪失とある意味処女喪失はその時の彼氏。
中学に入り、そいつと別れた後は女の子と付き合ってセックスしたし、男と付き合ったりもした。

好意を持たれて、付き合ったり、エッチだけしたりしていたら、自分が好きになって付き合った人がいないことに気づいた。
性欲強いし、ヤレれば男女関係ない。

だから、同僚になるその人を見たときの感情はたぶん忘れることない。
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