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遅すぎる初恋
第8章 酔う
さらにビールを流し込む。
普段なら会社の人とでもこんなに飲むことはない。
一杯半で頭の中はフワフワしていて、思考回路はほぼ働いてない。

「僕も宮内さんと同じ歳くらいだし、そーゆう相手、いなかったわけじゃないよ」

「……そーゆう相手?」

「んー、いわゆる、セフレってやつ。僕の場合は一般的じゃないからね」

一般的じゃないって意味わかんね。

「僕ね、同性愛者(ゲイ)なんだ」

隠すことなく、明るく言うから、言われた意味を理解するのに時間がかかった。

「えぇぇぇ!? さ、佐伯さんも!?」

思考能力低下してるのと驚きすぎて、自分言ったことの過ちに気づかなかった。

「も? ってことは宮内さんも?」

新しいおもちゃを見つけた子供のように佐伯さんの顔が嬉しそうで、しまった!と思った。

「いやいや、俺はドノーマルです! 知り合いに佐伯さんと同じような人がいて」

「あ、もしかしてその人に跡つけられちゃったとか?」

顔から火が出るくらい真っ赤になったのがわかる。
耳も熱い。

「いや、その、そ、それは、ち、ちがくて!!!」

「宮内さんって嘘つけないタイプだよね。焦れば焦るほど、本当だって言ってるようなもんだよ。僕としてはそんな宮内さんもいいなって思うけど」

「あ、あの……それって?」

「どんな宮内さんも好きだよってこと」

何これ。何かのドッキリ!?
てか、この数日でイケメン二人に告白される俺って何なの。
されるなら可愛い女の子の方が良かった!!!
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