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遅すぎる初恋
第9章 自覚
車で来たという紫音の後についていき、パーキングへ向かう。
俺なんて免許はあるけど、車乗らないし、身分証代わりでしかない。車まであるとは本当羨ましい。
パーキングに着くと紫音の外見とは真逆の真っ黒な男らしい車が停まっていた。
それの助手席に乗り込む。
「少しだけドライブしましょうか」
俺が酔っているのを気にしてるのか、窓を少し開けて走り出す。
聞きたいことはある。けれど、うまく切り出せない。
しばらく当てもなく走ってると、紫音が口を開く。
「和哉さんに会いたいって思われて嬉しいな。今日はごめんね」
「それは、別にいいって」
自分の言葉を思い出し、恥ずかしくなる。
女々しすぎる。男に会いたいなんて言われたら引くだろ、フツー。
でもこいつにとっては、好きな人から言われたことになんのか。
好きな人か。
突然頭の中で佐伯さんの言葉が蘇る。
「和哉さん?」
右手でハンドルを握ってる紫音の左手が俺の右手に重なるように握られる。
咄嗟のことでびくっとしてしまった。
「あ、ごめん。どうした?」
「考え事してたみたいだから」
運転しながら、器用にも指と指が絡むように繋ぎ直す。
全神経がそこへ集中したかのようだ。
俺なんて免許はあるけど、車乗らないし、身分証代わりでしかない。車まであるとは本当羨ましい。
パーキングに着くと紫音の外見とは真逆の真っ黒な男らしい車が停まっていた。
それの助手席に乗り込む。
「少しだけドライブしましょうか」
俺が酔っているのを気にしてるのか、窓を少し開けて走り出す。
聞きたいことはある。けれど、うまく切り出せない。
しばらく当てもなく走ってると、紫音が口を開く。
「和哉さんに会いたいって思われて嬉しいな。今日はごめんね」
「それは、別にいいって」
自分の言葉を思い出し、恥ずかしくなる。
女々しすぎる。男に会いたいなんて言われたら引くだろ、フツー。
でもこいつにとっては、好きな人から言われたことになんのか。
好きな人か。
突然頭の中で佐伯さんの言葉が蘇る。
「和哉さん?」
右手でハンドルを握ってる紫音の左手が俺の右手に重なるように握られる。
咄嗟のことでびくっとしてしまった。
「あ、ごめん。どうした?」
「考え事してたみたいだから」
運転しながら、器用にも指と指が絡むように繋ぎ直す。
全神経がそこへ集中したかのようだ。