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遅すぎる初恋
第12章 番外編:気になる人は彼氏持ち【佐伯竜也編】
それから色々話しを聞いて、俺の忠告も忘れたのか酒を煽る。

「そんなに心配なら遅くてもいいから、家に会いに行けばいいんじゃない?」

「あー、それは……一緒に暮らしてるんで」

「じゃあ、寝込み襲っちゃいなよー!そーゆう行為って安心したりしない?」

「いや、俺、我慢できなくて、無理させちゃうから。働きっぱなしで俺のワガママで疲れさせたくないし」


酔っ払った宮内さんはホントよく喋る。
仕事とはいえ、異性と四六時中行動を共にしていて出張まで行く。一緒に暮らしてるのに時間帯が合わず、夜中目覚めても寝ているのを見ると、無理させたくないって思う。それが不安だけど、言えない。
宮内さんは最後に自分はこんな男で恋人の仕事のパートナーは綺麗な人で恋人が自分から離れていきそうで怖いと言った。自分は平凡な社員で恋人は会社のトップに立つような人でそれも不安だと。

そして、そのままテーブルに頭をのせ、眠ってしまった。

「自分が男と付き合ってるって言っちゃってるし。で、相手はバイで日中は仕事のパートナーっていう女といるのか」

無意識で眠っている宮内さんの髪を撫でると、「しおん」という寝言が聞こえてきた。

宮内さんから得た情報を元に俺は昔の記憶を思い出す。
ただの偶然ならいい。
たまたま俺よりも2つ下で将来は有望な「しおん」って名前の男。

俺は違うことを願いながら、携帯の連絡帳からひとりの男へ電話をかけてみた。


ーーー番外編 完結ーーー
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