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遅すぎる初恋
第12章 番外編:気になる人は彼氏持ち【佐伯竜也編】
待ち合わせ場所に着くと、少し緊張気味の宮内さんが先に席についていた。

「ごめんね、遅くなって」

「あ、いや、俺こそすみません。急に誘ったりして……」

やっぱり少し元気ない?
会うのは2回目だけど、どちらかと言うと口数少ない方の宮内さんがさらに無言だし。

「あのさ、恋人と何かあった?」

恋人と言ったのは、宮内さんの事情を考えてのもの。俺は自分の性癖をオープンにしてるし、こーゆうところでも彼氏とか平気で言えるけど、以前の感じからして相手が同性ってことに怯えているようにも思えた。

「え、ど、どうして、ですか?」

「何となく? 前にも一人でいたくないって俺の誘いに乗ってきたし、今回もそうかなと思って」

「佐伯さんってやっぱ凄いですね。そーゆうこと、すぐわかっちゃうなんて」

宮内さんは目の前のグラスに入ったレモンサワーを半分まで飲み干す。

「あ、宮内さん! 待って。あまり飲みすぎない方がいいよ? 宮内さん、お酒そんなに強くないよね?」

この前も彼氏からの電話で外に出るときフラついてたし。
自分のキャパわかってなさそうだしな。

「はは。すげえ、そんなことまでわかるんだ」

笑ってるけど、どこか淋しそうで。
宮内さんをそんな顔させる彼氏に嫉妬する。

「ま、宮内さんが酔っ払って俺と何かあってもいいなら止めないけどね」

冗談混じりに言うと、かぁぁっと赤くなった宮内さんがテンパりながらも「無理です、無理です」と言う。
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