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お良の性春
第6章 大江戸炎情 乱交の喜び
 祝言が済むと、家事全般を元気な姑のお春に任せ、お良は店に出た。
 父伊兵衛の元でみっちり薬問屋の仕事を仕込まれたお良は、番頭や手代の先頭に立って店を切り盛りしたのであった。
 お良の登場で、店はますます活況を呈し、お良と清兵衛の幸せな結婚生活は、まさに順風満帆。
 たちまち月日は過ぎ、2度目に迎えた江戸の秋。お良には、ただ一つどうすることも出来ない悲しみがあった。
 夜毎清兵衛の子種をたっぷりとその身に受けながら、子が授からないのだ。

 「子は天からの授かりもの。気にすることはありません」

 優しいお春の言葉にもどこか寂しさが漂って来る。
 言葉には出さないものの、お春とて可愛い孫の顔が早く見たいのである。
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