この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
お良の性春
第2章 春風乱舞 恋のつむじ風
碁を打ち終え、城を後にした仙太郎は、一旦屋敷に帰るとお栄を呼んだ。
「喜多川の屋敷に参る。そなたも同行せよ。酒でも一本もって行くか」
お栄は一升徳利にスルメを包むと彦三に持たせ、三人は連れ立って喜多川家に向かった。
「義久殿は」
「居りますが、何か」
「折入って頼みたいことがあってな」
妹・お梅の夫、喜多川義久は仙太郎の部下。勘定方の仕事を実質取り仕切る財政のプロであった。
「義兄上、嫁子の教育ならお梅が適任。見なされ、話を聞いただけで、やる気満々」
一通り話を聞いた義久は大喜び。
「なるほど、そなたも日頃からお梅のしごきに手を焼いておるな」
「ご指摘の通りにございます」
二人は大声で笑った。
お梅も嬉しかった。あの可愛らしい甥の源一郎が嫁をもらう。早く嫁の顔が見たいものだ。
「うわさには聞いておりますが。町一番の器量よしとか」
お梅の言葉に、お栄の顔にも笑みがこぼれる。
「早くあわせてくださいね」
「なんと、嫁子はそんな器量よしか。源一郎も隅に置けぬ。さすが義兄上の血を引いただけはある」
義久は「舌好調」。
「兄上、話の続きは頂いたお酒でも飲みながら」
そう言ってお梅は席を立った。
その夜、膳を囲んだ四人は今後の段取りを酒の肴に、夜のふけるのも忘れて盃を重ねた。
「喜多川の屋敷に参る。そなたも同行せよ。酒でも一本もって行くか」
お栄は一升徳利にスルメを包むと彦三に持たせ、三人は連れ立って喜多川家に向かった。
「義久殿は」
「居りますが、何か」
「折入って頼みたいことがあってな」
妹・お梅の夫、喜多川義久は仙太郎の部下。勘定方の仕事を実質取り仕切る財政のプロであった。
「義兄上、嫁子の教育ならお梅が適任。見なされ、話を聞いただけで、やる気満々」
一通り話を聞いた義久は大喜び。
「なるほど、そなたも日頃からお梅のしごきに手を焼いておるな」
「ご指摘の通りにございます」
二人は大声で笑った。
お梅も嬉しかった。あの可愛らしい甥の源一郎が嫁をもらう。早く嫁の顔が見たいものだ。
「うわさには聞いておりますが。町一番の器量よしとか」
お梅の言葉に、お栄の顔にも笑みがこぼれる。
「早くあわせてくださいね」
「なんと、嫁子はそんな器量よしか。源一郎も隅に置けぬ。さすが義兄上の血を引いただけはある」
義久は「舌好調」。
「兄上、話の続きは頂いたお酒でも飲みながら」
そう言ってお梅は席を立った。
その夜、膳を囲んだ四人は今後の段取りを酒の肴に、夜のふけるのも忘れて盃を重ねた。