この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
お良の性春
第2章 春風乱舞 恋のつむじ風
それから一月ほど経って、伊兵衛のもとに早川様から使いが来た。
「願いの儀」があるという。
使いの口から伝えられたその願いとは、早川家の嫡男源一郎とお良の縁談だった。
伊兵衛は、思わず頷いた。
(なるほど、源一郎殿の悪ふざけは、お良に惚れてのことか)
早速、お良を呼んだ。
「どうじゃ」
お良は静かに父の言葉を聞いた。
「嬉しゅうございます」
鈴のような声でお良は答えた。
そんなわけで、縁談は瞬く間にまとまり、お良は、喜多川家の養女に。その上で、早川家に嫁ぐことになった。
縁談が決まり、今日はお良と源一郎の顔合わせの日。
お良は緊張しまくっていた。あの日以来の源一郎との再会。
カルタ会の大騒動。
お寺での衝撃のプロポーズ。
そして縁談。
お良はこの縁談があの日見た夢の続きのように思えた。
それとともに、源一郎の言う「責任」とは、このことだったのかと、改めて源一郎を見直した。
「素敵な人。男の中の男だわ」
源一郎と会える。嬉しい。お良は身も心も軽かった。
源一郎も嬉しかった。美しいお良に会えるのだ。それだけで源一郎は幸せな気分だった。
お良を前に源一郎は、優しく語りかけた。
それはあのカルタ会の大騒ぎへの懺悔の告白だった。
己の欲望の暴走を源一郎は素直に詫びた。
お良は黙って聞いていた。そしてすべて許し、すべてを忘れた。
「願いの儀」があるという。
使いの口から伝えられたその願いとは、早川家の嫡男源一郎とお良の縁談だった。
伊兵衛は、思わず頷いた。
(なるほど、源一郎殿の悪ふざけは、お良に惚れてのことか)
早速、お良を呼んだ。
「どうじゃ」
お良は静かに父の言葉を聞いた。
「嬉しゅうございます」
鈴のような声でお良は答えた。
そんなわけで、縁談は瞬く間にまとまり、お良は、喜多川家の養女に。その上で、早川家に嫁ぐことになった。
縁談が決まり、今日はお良と源一郎の顔合わせの日。
お良は緊張しまくっていた。あの日以来の源一郎との再会。
カルタ会の大騒動。
お寺での衝撃のプロポーズ。
そして縁談。
お良はこの縁談があの日見た夢の続きのように思えた。
それとともに、源一郎の言う「責任」とは、このことだったのかと、改めて源一郎を見直した。
「素敵な人。男の中の男だわ」
源一郎と会える。嬉しい。お良は身も心も軽かった。
源一郎も嬉しかった。美しいお良に会えるのだ。それだけで源一郎は幸せな気分だった。
お良を前に源一郎は、優しく語りかけた。
それはあのカルタ会の大騒ぎへの懺悔の告白だった。
己の欲望の暴走を源一郎は素直に詫びた。
お良は黙って聞いていた。そしてすべて許し、すべてを忘れた。