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お良の性春
第4章  寝屋騒然 猛攻四十八手 新妻肉欲の目覚め
 お良は火鉢で沸かした湯を急須に注ぎ、茶を入れて源一郎の枕元へ。

 「茶はそこにおいて、さあ、お前も」

 と源一郎が掛け布団を上げると、お良が滑るように中に入って、源一郎の胸に顔を埋める。

 「あっ、灯りを消し忘れました」
 「灯りなどそのままでよい」
 「明るいと恥ずかしゅうございます」
 「恥ずかしいか・・・。どこが恥ずかしい。ここか」

 とか何とかじゃれあいながら、さっそく身八つ口から源一郎の手がすっと入ってお良の乳肉をまさぐる。

 「あは」

 お良は両手で源一郎の淫らな手を押さえた。

 「源一郎様、その前にお願いがあります」
 「なに・・・、お願い?」
 「はい」
 「何だ」

 源一郎はお良の願いを片耳に聞きながら、忙しくお良の寝間着の帯を解きにかかる。

 「一門の戒めに『嬌声漏らすべからず』とあります」
 「ふむふむ、例の戒めのことだな」
 「ご存知で?」
 「あの戒めは破るためにあるのだと、祖父の教えだ」
 「それでも女子は守らねばならぬと、お梅様に教えられました」
 「馬鹿馬鹿しい。一門の戒めなど古臭い」
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