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お良の性春
第4章 寝屋騒然 猛攻四十八手 新妻肉欲の目覚め
昨夜来の激しい雨も上がり、空はすっきりと晴れ上がって珍しく風もない。
気持のよい早春の朝であった。
見れば庭の真ん中には、集められた枯れ木や落ち葉が渦高く詰まれ、そこから真っ白な煙がスーッと立ち昇っている。
風もなく、湿り気のある日を待っていた彦三が綺麗に掃除してくれたのだろう。
散り始めた梅の花に目を止めていると、どこからかともなく目白の群れが来て、花をつつきながらチーチーと囀り出した。
「梅は咲いたか 桜はまだかいな」
聞き覚えのある小唄を口ずさむお良。
鈴のなるような歌声が誰もいない庭に響く。
よく見ると、膨らみ始めた蕾で大島桜の梢は、どことなく賑やかである。
その時、その見上げていた母屋の庭の大島桜の梢の先の方から、鳥の影がサーッと急降下。
「バサバサッ」
羽音がしたかと思うと、一羽の百舌鳥が目白を鷲づかみにして庭に舞い落ちたのだ。
「可愛そうに」
百舌鳥に咥えられ力なく羽ばたく目白を見ながら、お良は何か不吉なものを感じて身震いした。
気持のよい早春の朝であった。
見れば庭の真ん中には、集められた枯れ木や落ち葉が渦高く詰まれ、そこから真っ白な煙がスーッと立ち昇っている。
風もなく、湿り気のある日を待っていた彦三が綺麗に掃除してくれたのだろう。
散り始めた梅の花に目を止めていると、どこからかともなく目白の群れが来て、花をつつきながらチーチーと囀り出した。
「梅は咲いたか 桜はまだかいな」
聞き覚えのある小唄を口ずさむお良。
鈴のなるような歌声が誰もいない庭に響く。
よく見ると、膨らみ始めた蕾で大島桜の梢は、どことなく賑やかである。
その時、その見上げていた母屋の庭の大島桜の梢の先の方から、鳥の影がサーッと急降下。
「バサバサッ」
羽音がしたかと思うと、一羽の百舌鳥が目白を鷲づかみにして庭に舞い落ちたのだ。
「可愛そうに」
百舌鳥に咥えられ力なく羽ばたく目白を見ながら、お良は何か不吉なものを感じて身震いした。