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お良の性春
第4章 寝屋騒然 猛攻四十八手 新妻肉欲の目覚め
急を知らせる伝令が早川家の門を叩いたのは、その日の昼下がりであった。
馬から降りて、玄関に飛び込んで来た源一郎の同輩喜一は、苦渋に満ちた面持ちで仙太郎に報告した。
「なんと」
一言発したまま茫然と立ち尽くす仙太郎。
仙太郎に走り寄ったお栄も事の次第を喜一から伝えられると、そのまま足元に崩れ落ちた。
山間部に続く街道の普請を監督していた源一郎が崖崩れの土砂に飲み込まれ絶命したと言う悲報であった。
翌日、大八車に乗せられた源一郎の亡骸が城下を練り歩くように運ばれてきた。
亡骸には救助に当たった多数の百姓が付き従い、出迎えた藩士からもすすり泣く声がどこからともなく上がって、早川家の門前一帯は悲痛な空気に包まれていった。
お良の目には涙もなかった。
武家に嫁ぐ娘にと、母が用意してくれた真っ白な喪服に、まさかこんなにも早く袖を通すことになろうとは・・・・。
お良には、変わり果てた夫の姿が、どこか遠い世界の出来事のように思われるだけであった。
馬から降りて、玄関に飛び込んで来た源一郎の同輩喜一は、苦渋に満ちた面持ちで仙太郎に報告した。
「なんと」
一言発したまま茫然と立ち尽くす仙太郎。
仙太郎に走り寄ったお栄も事の次第を喜一から伝えられると、そのまま足元に崩れ落ちた。
山間部に続く街道の普請を監督していた源一郎が崖崩れの土砂に飲み込まれ絶命したと言う悲報であった。
翌日、大八車に乗せられた源一郎の亡骸が城下を練り歩くように運ばれてきた。
亡骸には救助に当たった多数の百姓が付き従い、出迎えた藩士からもすすり泣く声がどこからともなく上がって、早川家の門前一帯は悲痛な空気に包まれていった。
お良の目には涙もなかった。
武家に嫁ぐ娘にと、母が用意してくれた真っ白な喪服に、まさかこんなにも早く袖を通すことになろうとは・・・・。
お良には、変わり果てた夫の姿が、どこか遠い世界の出来事のように思われるだけであった。