この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
お良の性春
第5章 波乱万丈 若後家 恋の旅立ち
瞬く間に四十九日の法要が終り、源一郎の遺骨は先祖伝来の墓に納められた。
しばらくお良の様子を伺っていたお栄は、お良が子を宿していないことを仙太郎に伝えた。
納骨が済むと、仙太郎はお良の両親、お良の養父母喜多川夫妻を家に招いて、お良の身の振り方について相談した。
「お良はまだ一人身。子を宿していない」
部屋の隅に畏まるお良が、さも申し訳なさそうに深々とお辞儀をした。
「お良さん、そなたを責めているのではない。二人が仲むつまじい夫婦だったのは皆が承知。子は天からの授かりものです」
お栄のいたわりの言葉は優しかった。
「それに、こんなことになって、子が出来なかったことは、返って良かったかも知れませんネエ。出来ていれば、その赤子は父親の顔さえ見ることができないのですから」
お栄の言葉を継ぐように、お梅もまたお良を慰めてくれた。
「ありがとうございます。皆様の優しいお言葉、痛み入ります」
母のお鶴がお良に代わっての礼を述べると、緊張していた座に和らいだ空気が流れた。
しばらくお良の様子を伺っていたお栄は、お良が子を宿していないことを仙太郎に伝えた。
納骨が済むと、仙太郎はお良の両親、お良の養父母喜多川夫妻を家に招いて、お良の身の振り方について相談した。
「お良はまだ一人身。子を宿していない」
部屋の隅に畏まるお良が、さも申し訳なさそうに深々とお辞儀をした。
「お良さん、そなたを責めているのではない。二人が仲むつまじい夫婦だったのは皆が承知。子は天からの授かりものです」
お栄のいたわりの言葉は優しかった。
「それに、こんなことになって、子が出来なかったことは、返って良かったかも知れませんネエ。出来ていれば、その赤子は父親の顔さえ見ることができないのですから」
お栄の言葉を継ぐように、お梅もまたお良を慰めてくれた。
「ありがとうございます。皆様の優しいお言葉、痛み入ります」
母のお鶴がお良に代わっての礼を述べると、緊張していた座に和らいだ空気が流れた。