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お良の性春
第5章 波乱万丈 若後家 恋の旅立ち
お春はてきぱきと指示をだした。
丁稚が桶を運んでくる、女中がお茶を出す、隣のうどん屋へ出前を頼む、と手際がいい連係プレー。
お良は草鞋を脱ぎ、手甲、脚絆も脱いで、手足を桶の水で荒い、座敷に上がって襟首の汚れを拭っていると、美味しそうな天麩羅うどんがお盆に載ってスッと出された。
「今日こそは」と朝から歩き通しで越後屋まで来た一行はお腹もぺこぺこ。
ペロッとどんぶりを空にすると、今度は女中の案内で銭湯に。
旅の汚れをすっかり銭湯に流し、家に帰ると、奥の座敷には布団が敷いてあった。
お良はごろんと横になると、遠慮も忘れてそのまま寝入った。
「さぞかし疲れていたんだろう。ゆっくりお休み」
改めて湯から帰ったお良の寝顔を一目見、お春は満足そうに微笑むと、それから座敷の障子を静に閉じた。
源一郎との死別から一年。
郷里の信濃を旅立って半月。
こうして、お良の再婚への旅路は無事に終り、花の都お江戸での新たな人生、清兵衛との新しい暮らしが明日から始まろうとしていた。
お良は20歳。
まさに女盛りを迎えようとしていた。
丁稚が桶を運んでくる、女中がお茶を出す、隣のうどん屋へ出前を頼む、と手際がいい連係プレー。
お良は草鞋を脱ぎ、手甲、脚絆も脱いで、手足を桶の水で荒い、座敷に上がって襟首の汚れを拭っていると、美味しそうな天麩羅うどんがお盆に載ってスッと出された。
「今日こそは」と朝から歩き通しで越後屋まで来た一行はお腹もぺこぺこ。
ペロッとどんぶりを空にすると、今度は女中の案内で銭湯に。
旅の汚れをすっかり銭湯に流し、家に帰ると、奥の座敷には布団が敷いてあった。
お良はごろんと横になると、遠慮も忘れてそのまま寝入った。
「さぞかし疲れていたんだろう。ゆっくりお休み」
改めて湯から帰ったお良の寝顔を一目見、お春は満足そうに微笑むと、それから座敷の障子を静に閉じた。
源一郎との死別から一年。
郷里の信濃を旅立って半月。
こうして、お良の再婚への旅路は無事に終り、花の都お江戸での新たな人生、清兵衛との新しい暮らしが明日から始まろうとしていた。
お良は20歳。
まさに女盛りを迎えようとしていた。