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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第6章 未来の関係
「―で? 話って何?」

「うん、あのね…」

食後、僕は真正面から紗神と向き合った。

「進路の、ことなんだけど」

「ああ、大学に行くつもりだ。お前もそうだろう?」

「えっ? まあそうだけど…」

彼は急に立ち上がると机に向かい、引き出しから雑誌サイズの茶封筒を取り出した。

そして僕の元へ来て、封筒を差し出した。

「ココへ行くから。永河も眼を通しといて」

「うん…」

封筒から書類を取り出し…絶句した。

日本人なら子供でも知っている某有名大学の資料だったからだ。

…ウチの高校から、合格した人、いたっけ?

まあ彼なら余裕で合格するな。

全国模試、常にトップなんだから。

「今度進路調査があるみたいだから、そこの大学名を書いておきなよ」

「はっ? 僕にもここを受けろと?」

「勉強はオレが教えるから大丈夫だろう」

「ムリムリっ! 僕の学力じゃ、ムリだって!」

「無理じゃないさ。お前は謙遜し過ぎだ。本当はもっと運動も勉強もできるのに、その引っ込み思案な性格のせいで損をしているぞ」

いえ、あなたみたいに自信満々には生きられません。

真似もできません。

…という言葉は、心の中だけで思う。

「でっでも…」

「はあ…。とりあえず、受けてみろ。ダメだったら、滑り止めの大学に行けば良いさ。滑り止めの方は、お前の好きな所を受けろ」

あくまでも命令なんだね…。

いつものこととはいえ、呆れを通り越して感心してしまう。

「…分かったよ。でもあんまり期待はしないでよね!」

「分かった分かった。それで話は終わりか? オレはパソコンに向かいたいんだが」

どうやら昨夜の失敗を、払拭したいらしい。

「いや、まだ。その…僕、いつここを出て行けば良いのかな?」
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