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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第6章 未来の関係
「それがお互いの為だと思うけど…」

「違うだろう? それはお前が怖いから、逃げたいだけだろう?」

「うっ…!」

ズバリ本音を言われて、言葉に詰まる。

「オレにお前の他に興味を持つヤツができて、いきなり突然捨てられるのが怖い。だから今の内にって、勝手過ぎないか?」

「その言葉、キミにだけは言われたくないんだけど」

「…言うようになったな」

「キミのおかげだよ」

一年前までの僕なら、こうして彼と言い合うこともできなかっただろう。

でもこの一年で身も心も彼に鍛えられた。

「はあ~。…大体、お前の体はすでにオレのモンだ。他のヤツじゃ、満足できないだろう?」

「そっそっちの話はいいだろう?」

「よくないだろう? お前のはじめての男だぞ? オレは」

「わ~っわぁあ! 朝っぱらから止めてよ! と言うか、問題をすり変えないで!」

「ちっ」

あっ危なかった…。

危うく彼の策にはまるところだった。

「とにかく、オレはお前を手放すつもりはない。出て行くことも許さない。それで問題は解決だ」

そう言い切ると、彼は立ち上がった。

「ちょっと待ってよ! それじゃあ話になっていない」

「なってる。後はお前が納得すればいいだけだ」

「なっ…!」

分かってたことだけど、一方的で強引過ぎる。

「逃げ出そうなんて思うなよ? どこに逃げても必ず探し出してやるからな」

ニッと笑う彼を見ると、それはあるなと思う。

彼の持つ力があれば、どこに逃げても見つけ出されるだろう。

そして紗神の前に引きずり出されることが、容易に想像ができてしまう。

「…逃げないけどさ」

それでも離れたい気持ちもある。
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