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ハデな彼に、躾けられた、地味な僕【BL】
第6章 未来の関係
実らない気持ちを抱き続けるには、強い気持ちが必要だ。

そしてその強さを…僕は持っていなかった。

「すぐに仕事は終わらせる。オレの部屋で待ってろ。新しいオモチャを買ったんだ。遊んでやるからな」

「うん…分かった」

それでも彼の言葉には逆らえない。

ちなみに彼の言うオモチャとは、いわゆる大人のオモチャ。

僕はもうクセになっているため息をついて、階段を上った。



「んんっ…」

喉の渇きで目が覚めた。

そして体にかかるずっしりとした重みは…紗神の体か。

僕は彼を起こさないようにゆっくりと動き、ベッドサイドに置いてあるミネラルウォーターのビンを手に取り、開けて飲んだ。

体の節々が痛んだ。

丸一日ベッドから出ず、彼に翻弄されまくった。

「明日は学校なのに…」

彼の寝顔は無防備で、幸せそうだった。

…そりゃ満足しただろう。

人のことをさんざん大人のオモチャで弄んだんだから…。

おかげで明日は最低限の動きしかできないだろう。

まっ、一学期の終業式だし、講堂にはイスがあるから座っていればいいだけだけど…それがまた辛いというのが泣ける。

「はぁ…」

ため息は幸せが逃げると、誰かが言っていた。

けれどモヤモヤした気持ちを吐き出せる方法を、僕は他に知らない。

特に趣味があるわけでも、特技があるわけでもない。

つまらない人間だ。

彼が言うような、謙遜しているワケじゃない。

確かに運動も勉強もそこそこはできる。

だけど自分の器の大きさを分かってしまっている。
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